【地域創生アイデア】中西 和也(一般社団法人はりまのいばしょ)

相生・家島から広がるひょうご親子地域留学

中西 和也(なかにし かずや)

[所属]
一般社団法人はりまのいばしょ
https://www.harima-ibasyo.jp/

[連絡先]
https://www.instagram.com/ieshima.hareterrace/

アイデアシート

ステップ1:現状と理想の「ギャップ」を明確にする

今ある姿(=現状)と目指す未来(=理想)を具体的にし、そのギャップを埋める「解決方法」を考えるために記入いただいた内容です。

【1】今ある姿 [現状: As Is]
今の解決したい「お困りごと」は何ですか?
「誰が」「どのように」困ってますか?
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【3】現状と理想の
ギャップを埋める解決方法
【1】【2】のギャップを埋める解決策は何ですか?「誰が」「何を」することで解決できますか?
【2】目指す未来 [理想: To Be]
現状に対して、あるべき未来・目指す姿(=理想)はどのような状態でしょうか?
「誰が」
・関西圏に住む不登校児(小・中学生が対象)*高校は義務教育ではなく、”自分に合う学校を選ぶ”という行為は一般的であるため今回は対象外とする。
・不登校児を持つ親・家族

・家島の小中学校、通うこども・保護者
・相生の小中学校、通うこども・保護者
・家島・相生の住民
・家島・相生の空き家所有者

・児童数減少に悩む県内の小学校・中学校
・不登校児→引きこもりとなり、人的資源を活かしきれない社会全体
「誰が」
フェーズ①家島・相生において
・(一社)はりまのいばしょ(家島・相生の支部長)
・家島・相生の空き家所有者
・家島・相生の小学校・中学校の保護者
・家島・相生の小学校・中学校の教員
・家島・相生の住民

フェーズ②兵庫県内において
・(一社)はりまのいばしょ(家島・相生の支部長)
・地域と学校・空き家をつなぐ各地のキーマン
・各地の体験プログラム提供者
最終的に:社会全体において
・教育環境(=学校と地域)を選べる社会となり、学校がしんどい子の選択肢が増える
・学校にいくのがしんどい子が少なくなる
その結果「自分の人生は自分で考え、選ぶもの」という肯定的で前向きな人が増える

その前段階として:兵庫県内→他都道府県において
・思いに共感し、地域と学校と空き家を繋げられるキーマン(=コーディネーター)と取り組みを兵庫県内に広げる
・その広がりを「プラットフォーム化」して、他の都道府県においても広げる

今年度からの取り組む至近の未来:家島・相生において
・家島・相生の空き家を活用しながら親と滞在して、地域の小学校・中学校に通う子どもが増える。
年単位の滞在により、気持ちが前向きになり、次のステージ(進級など)でまた元の場所に戻っていく子どもたちが増える。もちろん、本人が良ければそのまま滞在し続けてもても構わない。

「どのように」
・人口減少が続く相生・家島で教育環境を維持できない →さらに人口減少につながる

・学校に行けないことで、世間的に・精神的に苦しい、未来が見えない苦しさ
・不登校になった時のとりえる選択肢が少ない
・社会としても労働人口を失う
「何を」
・地域内の空き家を利用者に提供(賃貸・サブリース)*場合によっては空き家の整備も実施。
・地域(自治会)への説明
・学校との協議
・制度に関わるため、教育委員会との協議・事前説明
・各地の不登校親の会にPR・営業
・使える空き家情報の整理
・地域情報、学校情報、費用についての発信
・体験プログラムの造成
・移住体験イベントの実施

ステップ2:現状と理想の「ギャップ」の解決策を具体化する

現状と目指す未来のギャップを埋めるための具体的なアイデアとして、要素別に構造的に洗い出していただいた内容です。

【4】資金源
解決策を裏付ける資金は「誰が」拠出しますか?「なぜ」そのお金を出してくれるのですか?
【5】技術・ノウハウ
解決策を裏付ける技術・ノウハウは何ですか?
「どうやって」それが可能となりますか?
また、その解決策が「他(他社・他の方法)よりも優れている点」は何ですか?
【6】人材
解決策を実行する人的リソース
「人材」はどのように考えていますか?
「誰が」
フェーズ①
・地域に滞在する不登校児親子または親が勤務することになる地域の企業が家賃補助として:団体が所有している空き家の賃貸@家島(月3万円)・空き家のサブリース賃料@相生(月1万円の収益)
フェーズ②
・地域に滞在する不登校児親子または親が勤務することになる地域の企業が家賃補助として:空き家のサブリース賃料@県内各地(月1万円の収入)
・交流人口・滞在人口を増やしたい地域・学校を持つ市町村:県内各地に広がる段階で、行政から「学校及び地域についてのHP掲載料」をもらう(smoutを事例に:1掲載30万円)
「どうやって」
フェーズ①
相生・家島では実際に移住相談での空き家紹介、不登校児の受け入れを行った実績がある。
・利用者に空き家情報を提供できる
・地域(自治会)に繋いだり、学校と話ができる
・行政とも話をできる窓口は持っている
フェーズ②
兵庫県各地で広める際、キーマンに相生・家島におけるノウハウ(使える空き家の見極め・活用するためのサブリース方式・学校との折衝について)を提供して実践してもらう。
*年単位での受け入れを前提とするが、地域行政次第では「1ヶ月」等という短期期間での利用も考えられ、地域・行政との協議しながら進める。
フェーズ①
・地域コーディネーター:相生支部長渡部・家島支部長中西
・移住する当事者:親の会や支援団体に参加しPRしてつながる
・移住者に対する体験プログラム・イベント等の実施者:当コラボPJにて知り合い・誘致
・HP制作:当PJコーディネーター鈴木さん経由で
・相生・家島から通える理解のある企業:探す
・繋がりのある関西圏の大学生:兵庫県立大学、流通科学大学、大手前大学
フェーズ②
・「すごいすと」掲載は一つの基準となるため、県の県民躍動課と連携・協力を得て、地域のキーマンを掘り起こす。
・県の「躍動カフェ」で知り合った人たち
フェーズ③
・瀬戸内エリアを中心に地域活動する者の任意の集まりである「瀬戸内横串サミット」の人たち
「なぜ」
フェーズ①
・相生・家島で学校に通うためには住居が必要
フェーズ②
・県としても不登校支援をしている
・各地域の魅力発信及び一時的だが人口増加につながる
「他よりも優れている点」
この解決策自体が誰でもができるものではなく、ある程度、空き家情報などにアプローチできる地域のキーマン的立場でないと実践できない。
相生・家島の各支部長は地域で活動歴が長く、独立した立場で社会的な事業も行っているため、地域からの信頼感は一定ある。その証拠に、いずれも県の「すごいすと」に掲載されている。

ステップ3:「自分事」として取り組む理由の再確認

企画力や事業性は後で育てられますが、「なぜその人がやるのか」という納得感と熱量だけは他人が作れません。自分自身に向き合って、正直に、誠実に、ご記入いただいた内容です。

【7】あなたがこのアイデアを考えるようになったきっかけや原体験は?
※実際に目にしたこと、悩んだこと、憤ったこと、心が動いた出来事など
実際に家島中学校に神戸からお母さんと転入してきた生徒が1年半通い、高校進学にあたって神戸に戻っていった。心配をして祖父母まで僕のガイドに参加して様子を見に来たが、安心して帰った。
・地域に空き家が多くある
・地域の小学校の児童数が減少している
・親として家島小学校の教育に満足している
・相生小学校にも都会で不登校だった児童が転居して通ってきている
【8】今の地域や社会について、
「このままではいけない」と感じていることは?
※その中でも、特に「どうにかしたい!」と思っていることを教えてください
・経済合理性を追求する社会
・地域の特色ある教育環境の魅力が十分に広く認知されておらず、その存続が危ぶまれている
・社会において教育環境の選択肢が少ない
・どの段階においてもドロップアウトした時の選択肢が少ない
【9】このアイデアが実現したら、誰が喜ぶと思いますか?
※想像できる具体的な誰かがいれば、その人について教えてください
・関西圏(大阪・兵庫・京都・和歌山)で学校に行くのがしんどいと思っている小学生(特に4〜6年生)・中学生。その両親、祖父母。
・家島小中学校、相生小中学校に通う子ども、保護者。
【10】どうしてあなたが、
今このアイデアをやるのですか?

※他の人でもなく、“自分”がやる理由があれば教えてください
小学生の僕は賢かった。先生・親の言うことはきちんと守り、テストはほとんど満点だった。友達がするって聞いたのでつられて中学受験することになり、小学5年生ぐらいから塾に通った。
夏期講習に向かう満員電車の中では死んだ目をした大人ばかり見た。なんとなく大人になりたくないなあと思った。あと、サラリーマンの父親が残業で遅く帰った日は機嫌が悪かった。ああ働くのは大変なことなんや。給料とはガマン代なのかなと思った。
塾の成績も良く、褒められるのが嬉しくてどんどん勉強した。大阪でも上から2番目の学校に合格した。「これで東大京大コースやな」と親は安心した。
中学校になった僕はあまり勉強をしなくなった。勉強してもそれがどうなるかわからなかった。生きるとは・働くとはということばかり考えた。でも、実際はゲームばかりしていた。どんどん怒られるようになり、どんどん勉強しなくなった。
3つ下の弟が急に小学校に行かなくなった。「なんで学校行かへんねん」と母親に3階のベランダからランドセルと教科書を放り投げられていた。なんでかは僕にもわからなかった。でも、「そんなに行きたくないんや。ちゃんと自分の意思があってすごいな」と思った。ある日家に帰ると雑種の黒い犬がいた。保健所から引き取ってきて、弟のために飼うことにしたらしい。たまに犬の散歩に行かされるのが億劫だった。この犬を飼うことに僕の意見はなかったから。弟は1年経って、普通に学校に通うようになった。どうも担任とソリが合わなかったらしい。犬の散歩に行くのがもっと嫌になった。
高校になり、友達が医学部、東大京大を目指す中、大学受験を前にしても勉強しなかった。いつも学年でビリ争い。「入った時は真ん中らへんやってんけどなあ」と担任に嘆かれ、親には諦められた。センター試験の点数と見比べて、入れそうな学校を探して熊本の公立大学を受けにいった。建築系の学部でインテリアも学べると見たので、何の仕事につきたいたいとかはなく、テスト前に模様替えをしてしまうから、なんとなく選んだ。建築学は暮らしや哲学にも密接していて奥深く面白かった。友達と建築を見て回る旅行や農村・離島でのフィールドワークが楽しかった。田舎の人に話を聞くと「自分の意思で、その地域での暮らしを選んでいる人」はとってもイキイキしていた。「みんなよりちょっとだけ頑張ったらええんや」という言葉を今でも覚えている。満員電車で見た大人とは違った。
大学卒業を目前に就活はしなかった。やっぱり働きたくなかった。でも、小学生の時のそれとはちょっと違った。建築を勉強する中で、建築には哲学があるべきで、中でも住宅というのは本来、住まう人のライフステージに合わせて作っていくものであると知ったのに、実際に売られている住宅は建売ばっかりだった。しかも、これから日本全国の人口は減り、空き家も増えているのに、僕の地元大阪市内の駅前にはマンションが乱立していた。(現在でもこの流れは変わっていない。)我慢して労働する大人、もっと良い解決方法があるにもかかわらず消費者を騙すように儲かるなら何でもいいと生産消費する企業、それを許容・是とする拝金主義・資本主義社会に対して怒りが沸いた。大学院にいくことも考えたがモラトリアムでこれ以上、親に迷惑をかけられないとも思い、大学を卒業して実家に戻った。自分の力で社会を変えたい。もっと良い解決方法を社会に提示したい。そう思いながらも実際はコンビニのアルバイトで、傍ら建築士の資格だけは取得した。建築士の集まりに顔を出し、自分の考えを話すと面白がってくれる大人たちがいて、「家島でまちづくりを頑張ってるらしい」と教えてくれた。家島に初めて行った時、ここなら自分の考えを形にできるのではないかと思った。
家島で14年活動をしていて、自分の力がどれだけ社会に役立っているかはわからない。社員とともに色んな取り組みをして、昨年はまちづくりの賞で県知事表彰も受けたが、家島の人口は減り続けている。でも、あれだけ働きたくないと思っていた僕は今、死ぬまで働きたいと思っている。少なくとも満員電車の大人ではなく、フィールドワークで出会ったイキイキとした大人になっている自負している。そして、こういった地道な活動をしている人たちが県内外に多くいることも知っている。
振り返れば、周りの大人の生き方や言葉に教えられることが多かったいつかの自分に重ね合わせて、今しんどい思いをしている子たちがその状況を好転させられるきっかけの一つをつくることができれば幸いで、その場所は必ずしも家島でなくても良いと思っている。僕が実践できるのが家島というだけであり、兵庫の他の地域にもその土地の良さがある。

ステップ4:アイデアを事業にするための「名付け」

ご自身のアイデアを他の人に伝えるためには簡潔にまとめる必要があります。
ステップ1〜3の作業を踏まえ、改めてこのアイデアを事業として説明するための「名前」を付けてみましょう。

【11】簡潔に事業内容が伝わる呼称
 =「事業タイトル」を書いてください。

※30字程度
相生・家島から広がる
ひょうご親子地域留学
【12】事業アイデアについての簡潔な説明文
 を書いてください。
(初めての人に対して 一息で説明可能な文=エレベーターピッチを目指してください)
※100〜150字程度
もし不登校の親になったらどうしますか?「子どもは学校に行くのが当たり前」だからパニックになるでしょう。ランドセルを投げた僕の母のように。
大人は会社が合わなかったら転職する。子どもはそうではない。今の学校でしんどいと思う子は、他の学校に行ってもいいんじゃないか。兵庫は都会・山・海・島にも学校があって特色豊か。
まずは相生と家島から始め、兵庫県全体に波及させます。